【レポート】みずほ銀行、三菱UFJ銀行のデジタル・トランスフォーメーションにおけるデータ利活用 #AWSSummit
こんにちは、中川です。
2019/6/12(水)~14(金) の期間で開催されている、AWS Summit 2019 Tokyo からセッションをレポートします。 本記事は「みずほ銀行、三菱UFJ銀行のデジタル・トランスフォーメーションにおけるデータ利活用」についてレポートします。
セッション概要
スピーカー(敬称略):
- 池内和訓(株式会社三菱 UFJ 銀行デジタル企画部調査役)
- 坂内千佳(株式会社みずほ銀行リテール・事業法人業務部調査役)
モデレータ(敬称略):
- 下佐粉昭(Amazon Web Service Japan ソリューションアーキテクト)
セッション名:みずほ銀行、三菱 UFJ 銀行のデジタル・トランスフォーメーションにおけるデータ利活用
お客さまの行動様式の変化や多様化、テクノロジーの変化、異業種の参入、各国当局の動向など金融機関の経営環境は従前と大きく異なりつつあります。本セッションでは、みずほ銀行様と三菱UFJ銀行様にご登壇頂き、金融機関のデジタルを活用した事業変革の取り組みにおけるITソリューションの活用について、特に、アナリティクス業務における課題・解決テーマとその実現についてご紹介させて頂きます。
セッションレポート
以下、セッションレポートになります。
アジェンダ
- AWS のデータ利活用サービス
- みずほ銀行坂内様ご発表
- 三菱 UFJ 銀行池内様ご発表
AWSのデータ利活用サービス
データ利活用における課題とクラウドでの解決
- 改善補強するためのクラウド
- 新しいチャレンジをするためのクラウド
- 情報利活用の中心:S3
- データレイク周辺サービス
- Amazon Redshift
- AmazonAthena
- AWS Glue
- データレイク周辺サービス:可視化・応用
- Amaozn QuickSight
- APN の多彩なソリューションを活用
- みずほ銀行様での利活用
- 蓄積データを Athena の SQL で整形。Redshift+QucikSight で分析
- 三菱 UFJ 銀行様での利活用
- 外部から Lambda で取り組み、Glue で整形。Redshift+QucikSight で分析
みずほ銀行様様 ご発表
-
<みずほ>の事業基盤
- 個人顧客 2400 万
-
ビッグデータの利活用も技術革新で身近な存在に
- データ収集・クレンジング加工編集
- 実態把握
- 将来予測
- 予測提案・意思決定
- 自己学習自動最低帰化
-
データ資産家の手法に改善の余地有り
- 取り組みの範囲
- 顧客セグメント構築
- 取り組みの範囲
-
基盤とアプリを変更し業務継続できるかを探る
- 分析可能な形に加工編集
- Athena,S3
- 可視化レポートマーケティング
- 分析可能な形に加工編集
-
5 つのステップに分けて実施
- 業務用件整理
- AWS の使用サービスのデータ配置の検討
- 現行業務の移設と比較検証
- 言語変換・関数の網羅性検証
- データの可視化
- QuickSight を使用
-
AWS サービスの配置とデータの流れ
- 成形加工
- 整形後データ
- 補完
- データ構築
- 中間補完
- 保管〜中間保管ここを繰り返す
- 最終保管
- 分析 DB
- RedShift
- 可視化
-
結果
- システムが維持できて作業を削減できたことが良かった
- Athena と S3
- Athena の UI があまりよくなかった
- システムが維持できて作業を削減できたことが良かった
AWSサービス | AWSサービス外 | 結合 | |
---|---|---|---|
入力 | ○ | - | ○ |
コーディング | ○ | △ | △ |
出力 | ○ | - | ○ |
運用 | △ | ○ | △ |
- ビジネス利用に置いてのメリット・デメリット
- メリット
- 処理が早くなった
- 大量データの可視化
- デメリット
- クラウド用の運用を考える必要があること
- メリット
- 今後の展望
- 社内の類似業務の移行
- セルフサービス BI の導入
- AWS への期待
- Athena
- フォルダ分けや検索機能の強化
- Athena
三菱UFJ銀行様 ご発表
デジタルトランスフォーメーションへの取り組み
- 会社紹介
- MUFG グループは国内外で 1800 のグループ
- 11 の後続改革の柱
- デジタライゼーション戦略
- MUFG のアプローチ
- 既存業務の改善
- AI やブロックチェーンを用いた改革
三菱UFJ人工のデジタルトランスフォーメーションにおけるデータ利活用
- 施策概要
- コールセンターの業務付加改善のため、ウェブチャットを使用
- 最初は AI が対応して、AI が対応できないときはオペレータが対応
- チャットでは個人情報を取り扱えないので、扱うときはオペレータが対応
- こちらの右下からチャットを開始できる
- 現状はインターネットバンキングに関する問い合わせのみ対応
- システムの全体像
- すべてクラウドサービスを使用
- AI チャットボットは交換可能に
- データの分析を簡単に行える基盤
- システム構築の方針
- 高品質
- 銀行内での AWS 利用実績を参考にアーキテクチャを設計
- 低予算
- 極力開発を避け、AWS 既存機能の組み合わせで対応
- 短納期
- AWS SA 様をフル活用
- 将来的に最適なアーキテクトを提案してもらえる
- 高品質
- システム構成(ログ収集)
- データ収集・分析基盤をサーバレス構築
- Lambda,Glue,S3,Athena,QuickSight
- 1 か月程度で構築
- データ収集・分析基盤をサーバレス構築
- まとめと今後の取組
- AWS のフルマネージドサービスを活用して短納期でリリースできた
- 今後
- 自然言語処理技術を用いたデータ分析
- DDL・Python Shell の管理の高速化
- 各種コードを運用チーム内で共有・バージョン管理
- データレイクとの連携
- 別プロジェクトのデータレイクを活用
パネルディスカッション
Q1. クラウド利用時のセキュリティ
既存の社内セキュリティルールに沿って利用するという課題にどう対応されましたか?
特にエンタープライズ企業では、既存ルールがすでにせいびされていると思いますが、どのように進められました?
坂内様(みずほ銀行)
- みずほ AWS 利用ガイドラインがある
- もともとプライベートガイドラインがあった
- CCOE と連携している
- 社内のクラウド化したい人たちが集まるところ
- 困ったら CCOE で相談するため
- ガイドラインは 1,2 か月で集中して作成し、その後改定を繰り返していく
池内様(三菱 UFJ 銀行)
- CCOE でクラウド利用のガイドライン
- CASB に対応しなくてはいけない
- クラウドガイドラインは数ヶ月程度で整備
Q2. クラウドを乗りこなすには
クラウドは使う側にも変革を求める部分があると言われています。
今回ご経験を通じて、クラウドを乗りこなすには、組織側にどういった対応や変化が必要でしょうか?
池内様(三菱 UFJ 銀行)
- いままでより勉強する範囲が増えている
- 新しい機能を乗り換えていくことで安定した環境を構築
坂内様(みずほ銀行)
- 完璧を求めすぎないこと
- 自分たちが変えていくんだと、意識改革が必要
Q3. クラウド上のシステムを運用する
今回ご発表のAWS環境でのアプリケーションでは、どのように運用されていますか?
クラウドならではの部分はありますか?
坂内様(みずほ銀行)
- 自分たちで開発する環境があり、そこで運用している
池内様(三菱 UFJ 銀行)
- 運用は IT 部門ではなくデジタル企画で取り組んでいる
Q4. 難しかった・想定外だった部分
AWSクラウドりようをつうじて、難しかった部分、もしくは想定外・うまく行かなかった部分はなんでしょうか?
それらの課題をどのように乗り越えられましたか?
池内様(三菱 UFJ 銀行)
- Fargate を使いたかったが PrivateLink がなく断念した
- 現在は利用できるようになっている
- チャット周りで新しいサービスが出てきたら利用していきたい
- コストも含めて導入を見極めたい
- クラウドを学習しやすい環境が最初からあった
坂内様(みずほ銀行)
- 自分たちできるようにするのに大変だった
- AWS 初めてで、使い方を探っていた
- JAWS や質問表を調べた
- 仲間を作って解決していきたい
Q6. 今後の展望について
ご発表いただいたシステムの今後のご展望について教えてください。
池内様(三菱 UFJ 銀行)
- チャットボットをもっと対応させていきたい
- BI を一般銀行員も活用できるようにしていきたい
坂内様(みずほ銀行)
- 情報を集約していきたい
- データ利活用できる人を増やしていきたい
さいごに
みずほ銀行様と三菱 UFJ 銀行様のデータ利活用の事例をお話していただきました。
マネージドサービスをフル活用することによって、短納期でデータ分析基盤を構築でいたとのことでした。
また、AWS の活用方法や行内の取り組みで共通しているところが多く、興味深かったです!